第1章・AI と LLM を知る
AI ってなに? いろいろな種類と、学ぶしくみ
「AI」という言葉は、1つの道具の名前ではありません。写真に写っているものを見分けるしくみも、動画サイトのおすすめ欄も、質問に文章で答えてくれる Claude のようなものも、どれも AI と呼ばれます。
この章では、まず AI にどんな種類があって、それぞれ何に使われるのかを見ます。そのあと、どの種類にも共通する「データから学ぶ」しくみと、この教材の主役である LLM(文章を扱う AI)の学び方を見ます。
- この章で見ること
- AI の 7 つの種類(画像分類・物体検出・音声認識・機械翻訳・おすすめ・画像生成・LLM)と、学習・推論のしくみを、図で順に見ます。
- 読み終わると
- AI にはいろいろな種類があり、それぞれ得意なことが違うと分かる。「学習」「推論」「LLM」「生成AI」が何を指すかを説明できる
- 前の章までに知っていること
- ありません。この章から始めます。パソコンやスマホでインターネットを見たことがあれば読めます。
- 読む時間の目安
- 15分ほど
この章で出てくる言葉
分かる言葉は読み飛ばして構いません。途中で分からない言葉が出たら、ここに戻ってくるか、用語集で探してください。
- AI(人工知能)(エーアイ)
- 人の代わりに、見分ける・予測する・文章や画像を作るといった難しい作業をこなすプログラムやしくみの総称。1つの道具の名前ではなく、いろいろな種類があります。
- 機械学習
- たくさんの例(データ)から、見分け方や予測のしかたをプログラムに見つけさせるやり方。AI の中の一分野です。
- モデル
- 学習によってできあがった「答えを出すしかけ」。中には答えを決める数(パラメータ)がたくさん入っています。
- 学習
- 例を見せて答えさせ、正しい答えとのずれが小さくなるように、モデルの中の数を少しずつ直すことをくり返す作業。「トレーニング」とも言います。
- ラベル
- 学習に使う例に付けておく「正しい答え」。ねこの写真なら「ねこ」という答えがラベルです。
- パラメータ
- モデルの中にある、答えを決める数。学習で少しずつ直されます。LLM はこの数がとても多いモデルです。
- 推論(すいろん)
- 学習が終わったモデルに新しいデータを入れて、答えを出させること。AI を「使う」ときに起きているのはこれです。
- 画像分類
- 写真に写っているものが何かを、学習のときに決めた種類の中から答える AI。候補を確からしい順に返します。
- 物体検出
- 写真や映像の中の「どこに・何が」あるかを、位置を示す四角い枠(バウンディングボックス)と名前で答える AI。
- 音声認識
- 話した声を聞き取って文字にする AI。「文字起こし」とも呼ばれます。
- 機械翻訳
- ある言葉(日本語など)の文を、別の言葉(英語など)の文に直す AI。
- おすすめ(推薦システム)
- たくさんの動画や品物の中から、その人が気に入りそうなものを選んで並べるしくみ。見たものに似たものや、好みの似た人が見たものを選びます。
- 生成AI(せいせいエーアイ)
- 文章・画像・音声などの新しいものを作り出す AI の種類。LLM や画像生成がこれに入ります。
- 画像生成
- 文の指示から新しい画像を作る AI。生成AI の一種ですが、LLM とは別のものです。
- LLM(大規模言語モデル)(エルエルエム)
- 大量の文章で学習し、文章を読んで文章を作るモデル。質問に答える・要約する・プログラムを書くなどができます。Claude・GPT・Gemini がその仲間です。
- 事前学習
- LLM が最初に行う学習。大量の文章を読み、それまでの文章から次の言葉を予測する練習をくり返します。
- ファインチューニング
- 学習済みのモデルを、別のデータでさらに学習させて調整すること。LLM を「質問に答える助手」として振る舞わせるのにも使われます。
- 知識のカットオフ
- モデルが学んだ文章の締め切りの時点。それより新しいことは、ネット検索などの道具を使わない限り知りません。
- ハルシネーション
- AI が、事実と違うことをもっともらしく自信ありげに書くこと。存在しない関数を書いてくることもあるので、出てきたものは確かめます。
下にスクロールすると、図が1つずつ動いて説明が進みます。見逃したら、スクロールを戻せば同じところが巻き戻ります。図は、しくみを説明するために描いた模式図です。実際のアプリの画面ではありません。
01 / 18
「AI(人工知能)」は、1つの道具の名前ではありません。写真を見分ける・声を文字にする・文章を書くなど、いろいろな種類があります。
どれも「何かを受け取って(入力)、答えや作ったものを返す(出力)」しくみです。ここから1つずつ見ていきます。
02 / 18
画像分類は、写真に写っているものが何かを、あらかじめ決めた種類の中から答えます。
答えは1つではなく「ねこらしさが高い順」の候補として返ります。答えられる種類は、学習のときに決めたものだけです。
03 / 18
物体検出は、写真や映像の中の「どこに・何が」あるかを見つけ、四角い枠で囲んで示します。
画像分類が「何の写真か」を1つ答えるのに対して、物体検出は1枚の中の複数のものを、それぞれの位置つきで答えます。
04 / 18
音声認識は、話した声を聞き取って文字にします。「文字起こし」とも呼びます。
会議の録音を文字にしたり、話しかけて文字を入力したりするのに使われます。
05 / 18
機械翻訳は、ある言葉(日本語など)の文を、別の言葉(英語など)の文に直します。
Google は 2016 年に、自社の翻訳を「単語を1つずつではなく、文全体をまとめて訳す」しくみに切り替えたと説明しています。
06 / 18
おすすめ(推薦)は、たくさんの動画や品物の中から、その人が気に入りそうなものを選んで並べます。
見た動画に似たものや、好みの似た人が見たものを選びます。Google は、YouTube や Google Play のおすすめにこのしくみを使っていると説明しています。
07 / 18
画像生成は、「夕焼けの海辺を歩くねこ」のような文の指示から、新しい画像を作ります。
見分ける・聞き取る・選ぶ AI に対して、文章や画像など新しいものを作り出す AI を「生成AI」と呼びます。
08 / 18
LLM(大規模言語モデル)は、文章を読んで、文章で返します。質問への答えや要約、プログラムのコードも文章として書きます。
Anthropic の Claude、OpenAI の GPT、Google の Gemini は、どれも LLM の仲間です。この教材が扱うのは、主にこの LLM です。
09 / 18
では、どうやって見分けているのでしょう。見分け方を人が書き出すのではなく、たくさんの例から見つけさせる。これが機械学習です。
「耳がとがっていたら…」と決まりを書き出すと、例外が出てきりがありません。代わりに「ねこ」「いぬ」と答えを付けた写真をたくさん見せます。この答えを「ラベル」と呼びます。
10 / 18
学習では、例を1つ見せて答えさせ、正しい答え(ラベル)とどれだけずれたかを測ります。
モデルの中には、答えを決める数がたくさん入っています。これを「パラメータ」と呼びます。学習を始めたばかりのモデルは、まだよく間違えます。
11 / 18
ずれが小さくなるように中の数を少しずつ直し、それを何度もくり返します。だんだん正しく答えられるようになります。
たとえるなら、つまみを少しずつ回して音を合わせるような作業です。Google の機械学習の用語集は、これを「問題と答えの組で勉強すること」にたとえています。
12 / 18
学習が終わったモデルに、見たことのない新しい写真を入れると、学んだことを当てはめて答えます。これを「推論」と呼びます。
多くの場合、学習は前もってまとめて行い、使うとき(推論)はできあがったモデルを動かすだけです。
13 / 18
ただし、学んだ例とかけ離れたものを見せると、それらしく間違えます。AI の答えは「学んだ範囲での推測」です。
このモデルが答えられるのは、学んだ「ねこ・いぬ・うさぎ」だけです。トラの写真を見せても、その中からいちばん近いものを答えてしまうことがあります。
14 / 18
LLM も例から学びます。大量の文章を読み、「この続きに来る言葉は何か」を当てる練習をくり返します。
Anthropic は、Claude のもとになったモデルも、それまでの文章から次の言葉を予測するように学習した(事前学習)と説明しています。候補の並びは説明のための例です。
15 / 18
答えるときも、続きの言葉を1つ選んで後ろに足し、また次を選ぶ……をくり返して文章を作ります。
選ぶ単位は、正確には「トークン」と呼ばれる細かい単位です(第2章)。さらに、質問に答える助手として振る舞えるよう調整されています。
16 / 18
LLM そのものは、答えている最中にネットを調べてはいません。学んだ文章と、いま渡された文章をもとに答えます。
ネット検索は、アプリが付け足す「道具」です。付いているときだけ、検索した結果を読んでから答えます。検索が無ければ、学んだ時点より新しいことは知りません。
17 / 18
LLM は、事実と違うことを自信ありげに書くことがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。
文章が自然なことと、中身が正しいことは別です。コードなら実際に動かし、事実なら出典を確かめます(確かめ方は第7章)。
18 / 18
言葉の大きさを整理します。AI の中に機械学習があり、その中に作り出す種類の生成AI、さらにその中に文章を扱う LLM があります。
「生成AI」と「LLM」は混ぜて使われがちですが、画像生成のように LLM ではない生成AI もあります。次の章では、LLM の中で何が起きているかをくわしく見ます。
01 / 18
「AI(人工知能)」は、1つの道具の名前ではありません。写真を見分ける・声を文字にする・文章を書くなど、いろいろな種類があります。
どれも「何かを受け取って(入力)、答えや作ったものを返す(出力)」しくみです。ここから1つずつ見ていきます。
会話では:「それ、画像を見分ける AI の話? それとも文章を書く AI の話?」のように、種類をそろえてから話すと食い違いません。
しくみの図AI のなかま:7つの種類02 / 18
画像分類は、写真に写っているものが何かを、あらかじめ決めた種類の中から答えます。
答えは1つではなく「ねこらしさが高い順」の候補として返ります。答えられる種類は、学習のときに決めたものだけです。
会話では:「写真を、ねこ・いぬ・その他に自動で分けたい」→ 画像分類の出番です。
しくみの図画像分類:写真 → 種類の名前03 / 18
物体検出は、写真や映像の中の「どこに・何が」あるかを見つけ、四角い枠で囲んで示します。
画像分類が「何の写真か」を1つ答えるのに対して、物体検出は1枚の中の複数のものを、それぞれの位置つきで答えます。
会話では:「カメラの映像から人の数を数えたい」→ 物体検出。囲む四角は「バウンディングボックス」と呼ばれます。
しくみの図物体検出:写真 → 位置の枠と名前04 / 18
音声認識は、話した声を聞き取って文字にします。「文字起こし」とも呼びます。
会議の録音を文字にしたり、話しかけて文字を入力したりするのに使われます。
会話では:「打ち合わせの録音を文字起こしして、要点をまとめて」のように、ほかの AI と組み合わせて頼むこともあります。
しくみの図音声認識:声 → 文字05 / 18
機械翻訳は、ある言葉(日本語など)の文を、別の言葉(英語など)の文に直します。
Google は 2016 年に、自社の翻訳を「単語を1つずつではなく、文全体をまとめて訳す」しくみに切り替えたと説明しています。
会話では:「英語のエラーメッセージを日本語にして」と頼むのも、翻訳の使い方の1つです。
しくみの図機械翻訳:文 → 別の言葉の文06 / 18
おすすめ(推薦)は、たくさんの動画や品物の中から、その人が気に入りそうなものを選んで並べます。
見た動画に似たものや、好みの似た人が見たものを選びます。Google は、YouTube や Google Play のおすすめにこのしくみを使っていると説明しています。
会話では:「おすすめ欄も AI なの?」→ はい。目立ちませんが、機械学習のよく知られた使い道の1つです。
しくみの図おすすめ:見た記録 → おすすめの一覧07 / 18
画像生成は、「夕焼けの海辺を歩くねこ」のような文の指示から、新しい画像を作ります。
見分ける・聞き取る・選ぶ AI に対して、文章や画像など新しいものを作り出す AI を「生成AI」と呼びます。
会話では:「この挿絵は画像生成で作った」「それって生成AIの画像?」のように使います。
しくみの図画像生成:文の指示 → 画像08 / 18
LLM(大規模言語モデル)は、文章を読んで、文章で返します。質問への答えや要約、プログラムのコードも文章として書きます。
Anthropic の Claude、OpenAI の GPT、Google の Gemini は、どれも LLM の仲間です。この教材が扱うのは、主にこの LLM です。
会話では:「どの LLM を使ってる?」「Claude に書いてもらった」——AI コーディングの会話でいう「AI」は、たいていこの LLM のことです。
しくみの図LLM:文章 → 文章(答え・要約・コード)09 / 18
では、どうやって見分けているのでしょう。見分け方を人が書き出すのではなく、たくさんの例から見つけさせる。これが機械学習です。
「耳がとがっていたら…」と決まりを書き出すと、例外が出てきりがありません。代わりに「ねこ」「いぬ」と答えを付けた写真をたくさん見せます。この答えを「ラベル」と呼びます。
会話では:「学習データが足りない」は、例として見せるデータが少ない、という意味です。
しくみの図人が決まりを書くやり方と、例から学ぶやり方10 / 18
学習では、例を1つ見せて答えさせ、正しい答え(ラベル)とどれだけずれたかを測ります。
モデルの中には、答えを決める数がたくさん入っています。これを「パラメータ」と呼びます。学習を始めたばかりのモデルは、まだよく間違えます。
会話では:「モデルを学習させる」「パラメータ数が多いモデル」のように使います。
しくみの図学習:答えとのずれを見て、中の数を直す11 / 18
ずれが小さくなるように中の数を少しずつ直し、それを何度もくり返します。だんだん正しく答えられるようになります。
たとえるなら、つまみを少しずつ回して音を合わせるような作業です。Google の機械学習の用語集は、これを「問題と答えの組で勉強すること」にたとえています。
会話では:「もっと学習させれば精度が上がる?」——精度は、どれだけ正しく答えられるかという意味です。
しくみの図学習:答えとのずれを見て、中の数を直す12 / 18
学習が終わったモデルに、見たことのない新しい写真を入れると、学んだことを当てはめて答えます。これを「推論」と呼びます。
多くの場合、学習は前もってまとめて行い、使うとき(推論)はできあがったモデルを動かすだけです。
会話では:「学習済みのモデルを使う」「推論が速い」のように使います。
しくみの図推論:学習が終わったモデルを使う13 / 18
ただし、学んだ例とかけ離れたものを見せると、それらしく間違えます。AI の答えは「学んだ範囲での推測」です。
このモデルが答えられるのは、学んだ「ねこ・いぬ・うさぎ」だけです。トラの写真を見せても、その中からいちばん近いものを答えてしまうことがあります。
会話では:「学習データに無い種類には弱い」——AI の答えを信じる前に、何を学んだ AI かを考えます。
しくみの図推論:学習が終わったモデルを使う14 / 18
LLM も例から学びます。大量の文章を読み、「この続きに来る言葉は何か」を当てる練習をくり返します。
Anthropic は、Claude のもとになったモデルも、それまでの文章から次の言葉を予測するように学習した(事前学習)と説明しています。候補の並びは説明のための例です。
会話では:「事前学習」「次の言葉を予測する」は、LLM のしくみの話でよく出てきます。
しくみの図LLM の学び方:続きの言葉を当てる15 / 18
答えるときも、続きの言葉を1つ選んで後ろに足し、また次を選ぶ……をくり返して文章を作ります。
選ぶ単位は、正確には「トークン」と呼ばれる細かい単位です(第2章)。さらに、質問に答える助手として振る舞えるよう調整されています。
会話では:「文章を生成する」「続きを書かせる」は、このしくみのことを言っています。
しくみの図LLM の学び方:続きの言葉を当てる16 / 18
LLM そのものは、答えている最中にネットを調べてはいません。学んだ文章と、いま渡された文章をもとに答えます。
ネット検索は、アプリが付け足す「道具」です。付いているときだけ、検索した結果を読んでから答えます。検索が無ければ、学んだ時点より新しいことは知りません。
会話では:「最新の情報は、検索をオンにして聞いて」「その話は知識のカットオフより後だから知らないかも」のように使います。
しくみの図LLM が答えに使うもの17 / 18
LLM は、事実と違うことを自信ありげに書くことがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。
文章が自然なことと、中身が正しいことは別です。コードなら実際に動かし、事実なら出典を確かめます(確かめ方は第7章)。
会話では:「存在しない関数をハルシネーションで書いてきた」「それ、出典を確かめた?」のように使います。
しくみの図LLM が答えに使うもの18 / 18
言葉の大きさを整理します。AI の中に機械学習があり、その中に作り出す種類の生成AI、さらにその中に文章を扱う LLM があります。
「生成AI」と「LLM」は混ぜて使われがちですが、画像生成のように LLM ではない生成AI もあります。次の章では、LLM の中で何が起きているかをくわしく見ます。
会話では:「生成AIを使って」と言われたら、文章(LLM)の話か、画像などの話かを確かめると話が早く進みます。
しくみの図言葉の大きさ:AI・機械学習・生成AI・LLM
会話ではこう出てくる(手順ごと)
上の手順の番号と合わせて見てください。
- 01
「AI(人工知能)」は、1つの道具の名前ではありません。写真を見分ける・声を文字にする・文章を書くなど、いろいろな種類があります。
「それ、画像を見分ける AI の話? それとも文章を書く AI の話?」のように、種類をそろえてから話すと食い違いません。
- 02
画像分類は、写真に写っているものが何かを、あらかじめ決めた種類の中から答えます。
「写真を、ねこ・いぬ・その他に自動で分けたい」→ 画像分類の出番です。
- 03
物体検出は、写真や映像の中の「どこに・何が」あるかを見つけ、四角い枠で囲んで示します。
「カメラの映像から人の数を数えたい」→ 物体検出。囲む四角は「バウンディングボックス」と呼ばれます。
- 04
音声認識は、話した声を聞き取って文字にします。「文字起こし」とも呼びます。
「打ち合わせの録音を文字起こしして、要点をまとめて」のように、ほかの AI と組み合わせて頼むこともあります。
- 05
機械翻訳は、ある言葉(日本語など)の文を、別の言葉(英語など)の文に直します。
「英語のエラーメッセージを日本語にして」と頼むのも、翻訳の使い方の1つです。
- 06
おすすめ(推薦)は、たくさんの動画や品物の中から、その人が気に入りそうなものを選んで並べます。
「おすすめ欄も AI なの?」→ はい。目立ちませんが、機械学習のよく知られた使い道の1つです。
- 07
画像生成は、「夕焼けの海辺を歩くねこ」のような文の指示から、新しい画像を作ります。
「この挿絵は画像生成で作った」「それって生成AIの画像?」のように使います。
- 08
LLM(大規模言語モデル)は、文章を読んで、文章で返します。質問への答えや要約、プログラムのコードも文章として書きます。
「どの LLM を使ってる?」「Claude に書いてもらった」——AI コーディングの会話でいう「AI」は、たいていこの LLM のことです。
- 09
では、どうやって見分けているのでしょう。見分け方を人が書き出すのではなく、たくさんの例から見つけさせる。これが機械学習です。
「学習データが足りない」は、例として見せるデータが少ない、という意味です。
- 10
学習では、例を1つ見せて答えさせ、正しい答え(ラベル)とどれだけずれたかを測ります。
「モデルを学習させる」「パラメータ数が多いモデル」のように使います。
- 11
ずれが小さくなるように中の数を少しずつ直し、それを何度もくり返します。だんだん正しく答えられるようになります。
「もっと学習させれば精度が上がる?」——精度は、どれだけ正しく答えられるかという意味です。
- 12
学習が終わったモデルに、見たことのない新しい写真を入れると、学んだことを当てはめて答えます。これを「推論」と呼びます。
「学習済みのモデルを使う」「推論が速い」のように使います。
- 13
ただし、学んだ例とかけ離れたものを見せると、それらしく間違えます。AI の答えは「学んだ範囲での推測」です。
「学習データに無い種類には弱い」——AI の答えを信じる前に、何を学んだ AI かを考えます。
- 14
LLM も例から学びます。大量の文章を読み、「この続きに来る言葉は何か」を当てる練習をくり返します。
「事前学習」「次の言葉を予測する」は、LLM のしくみの話でよく出てきます。
- 15
答えるときも、続きの言葉を1つ選んで後ろに足し、また次を選ぶ……をくり返して文章を作ります。
「文章を生成する」「続きを書かせる」は、このしくみのことを言っています。
- 16
LLM そのものは、答えている最中にネットを調べてはいません。学んだ文章と、いま渡された文章をもとに答えます。
「最新の情報は、検索をオンにして聞いて」「その話は知識のカットオフより後だから知らないかも」のように使います。
- 17
LLM は、事実と違うことを自信ありげに書くことがあります。これを「ハルシネーション」と呼びます。
「存在しない関数をハルシネーションで書いてきた」「それ、出典を確かめた?」のように使います。
- 18
言葉の大きさを整理します。AI の中に機械学習があり、その中に作り出す種類の生成AI、さらにその中に文章を扱う LLM があります。
「生成AIを使って」と言われたら、文章(LLM)の話か、画像などの話かを確かめると話が早く進みます。
この章のまとめ
- 1
AI にはいろいろな種類があります。どれも「入力を受け取って出力を返す」形で、見分ける・聞き取る・選ぶ・作るなど、得意なことが違います。
- 2
機械学習は、例から学ぶやり方です。学習で中の数(パラメータ)を直し、できあがったモデルを使って答えさせることを推論と呼びます。答えは「学んだ範囲での推測」です。
- 3
LLM は、続きの言葉を予測して文章を作る生成AI です。それ自体はネットを調べず、学んだ文章と渡された文章から答えるので、知らないことやハルシネーションがあります。
この章の内容を確かめた情報源
- Google「What is Machine Learning?」(機械学習とは何か・種類)
- Google「Machine Learning Glossary」(学習・推論・ラベル・パラメータ・ハルシネーションなどの用語)
- OECD.AI「AI システムの定義の更新」(AI の定義)
- MediaPipe Image Classifier・Object Detector(画像分類と物体検出)
- OpenAI「Speech to text」(音声認識・文字起こし)
- Google「Found in translation」(2016年)(文全体を見て訳す翻訳)
- Google「Recommendation systems」(おすすめのしくみ)
- OpenAI「Image generation」(画像生成)
- Anthropic「Glossary」(LLM・事前学習・ファインチューニング)
- Anthropic「Web search tool」・Google「Grounding with Google Search」(ネット検索はモデルに付け足す道具であること)
確認日: 2026年10月25日